カリスマ美容師?



「カリスマ美容師」って少し前にブームになりましたね。火付け役はフジテレビ系列で深夜に放送されていた「シザーズリーグ(Scissors League)」という番組。

米米クラブの石井竜也が「ビューティー石井」という名前で司会を務め、東京都内の代表的な6つのヘアサロン、ACQUA(アクア)、HAIR DIMENSION(ヘア・ディメンジョン)、ZACC(ザック)、RITZ(リッツ)、anti(アンティ)、Minx(ミンクス)が毎回1対1のリーグ戦形式で対決し、一般の観客が投票で勝敗を決めるというシステムでした。

昔の超人気料理番組「料理の鉄人」のヘアサロン版って感じですが、一つ違うのは審判を一般の観客が決める点で、より進化した番組だと言えました。モデルも一般の観客というのもよかったですね。モデルに選ばれなかった人が希望のサロンに予約を入れるのはもちろん、参加したどの店も何ヶ月も予約が入らない状態が続いたそうです。

途中からは上記の6つのヘアサロン以外からも美容師を集めるようになった他、美容専門学校生を対象とした「スチューデント・シザーズリーグ」もはじまりましたが、上記6サロンの人気があった美容師が無免許であったことが判明したことが原因で、この番組は2000年3月に打ち切りになりました。

でも当時は美容師の7割が無免許だったといいますから、制度上の問題があると思いますけれどね。大体免許なんて役に立たないからそういう状況が起こるわけです。役に立たないのに2年間も美容学校に通い(その費用が何十万円もする)ないと取れないんです。美容師の免許は、頭皮等の人体に直接触れる薬品・器具を扱い、サービスを提供する業務であることにかんがみ、安全性を確保する趣旨に出たものだと説明されますが、それなら2年間もいらないでしょう。当時はさらに1年間のインターン研修も必要で、その間は当然無免許で美容院(ヘアサロン)で働くことに制度上なっていたそうです(事件後このインターン制度はなくなりましたが)。免許がいらないとは思いませんが、制度趣旨からいえば精々数ヶ月で取れるようにすればいいと思います。あとの技術を磨くのはオプションでしょう。美容学校に行かず現場で腕を磨くのもありでしょう。事件後のアンケートでも「無免許でも腕がよければ利用する」という回答が利用者の半分以上でした。

話は脱線しましたが、そういうわけで、番組の終了でカリスマ美容師ブームも下火になりました。でも今でも参加6サロン出身のヘアアーティストは人気のようです。「ACQUA(アクア)」出身の綾小路竹千代氏、野沢道生氏、森内雅樹氏、「HAIR DIMENTION(ヘアー・ディメンション)」出身の親保宏氏、「RITZ(リッツ)」出身の金井豊氏、「ZACC(ザック)」出身の高橋和義氏、「anti(アンティ)」出身の小松利幸氏、「MINX(ミンクス)」出身の岡村享央氏などです。

でも、ブームの時からそうでしたが「カリスマ美容師」という言葉が雑誌などで安易に使われすぎて一人歩きし、あまり多くの人が知らない、行列のできていない、あるいは自称「カリスマ美容師」がいっぱい出てきて、何がなにやらわからない状態になってきました。こうなるともう「カリスマ美容師」という言葉は死語になりつつあるというべきでしょう。

ただ、これは腕の良い美容師(ヘアスタイリスト)がいないということを意味するわけではありません。人気でなく本当の腕でヘアサロンや美容師を選ぶ賢い利用者が増えたということかもしれません。良いことですね。